近接格闘対応型『カチャロット』 - Cachalot -

ステンレスで作った『シルバーウルフ』は、ゴム銃という攻撃力の低さとは不釣り合いなほど、無駄に重く、「殴った方が強い」「銃器じゃなくて鈍器」などと、するどいツッコミを浴びまくりの初作品となった。それから半年 ─────幾つもの作品制作を経て、復活を遂げた愛すべき鈍器。

■使用素材 本物の拳銃とは似て非なるデザインだが、サイズや重量は近いものがある。今回使用した素材は、鉄(SS400)。“黒皮”(英語でミルスケール)と呼ばれる表面が酸化した黒い膜に覆われた鋼材で、くすんだ鈍い輝きがリアルな雰囲気を醸し出す。


■主要諸元 回転翼式オート連発銃 / セミ・フル モード切替機能搭載 / 輪ゴム装弾数:15発 / 翼形状:5枚歯車形 / 銃全長:260mm / 銃身長:205mm / 重量:約1000g


■3モード切替レバー セーフティ⇔セミオート⇔フルオートの切り替えをトリガー上のレバーで行う。フルオート時に一瞬で弾が出尽くすのを防ぐための遅延装置は、グリップ後部の付け根にその利き具合の調整器を設置。銃を握る力でコントロールするわけだが、調子はイマイチ。


■カバー開閉アクション 装弾はバレルカバーを回転させ開いてから行う。ロック機構はなく、銃を振り降ろすとカバーが勢いよくオープン、振り上げるとカバークローズ。硬くて重い鉄なので、このアクションそのものが打撃武器かのよう。動作音も派手だし。取扱いには周囲に注意が要る。


■モチーフは鯨 黒皮の鉄板は、艶・色合い・傷の感じなど、鯨の皮膚の質感に似ている気がしたので、ネーミングにはマッコウクジラ(英名:sperm whale)の別名、カチャロット(Cachalot)に。そのマッコウクジラの頭部をイメージした銃先端部。


■新旧対決! ステンレスの輝きが美しいシルバーウルフ。カチャロットと比べるとその無骨さが際立つ。半年が経ち銃のデザインにも進歩がみられるか(?) 鉄製のカチャロットは、錆び保護のために定期的にオイルを塗り込む必要がある。銀狼と違い、手間の掛かる相棒だ。